「あ、日本人って貧乏になったなぁ」と感じる瞬間
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連合会長へ 頑張っただけで給料が上がったら企業も国も潰れます。
年明けに報じられた連合会長の談話が話題になっている。NHKのインタビューに以下のように答えたという。
ことしの春闘について連合の神津会長はNHKのインタビューに「頑張れば賃金が上がるという常識を取り戻すことが極めて大事だ」と話し、基本給を引き上げる「ベースアップ」などを維持することが重要だという考えを示しました。
出典:連合会長「頑張れば賃金上がるという常識取り戻す」 NHK NEWSWEB 2017/01/02
反響は様々なようだが、これはとんでもない勘違いであり、頑張れば給料が上がる状況になれば企業は潰れ、国も潰れる。給料は従業員の頑張りで決まるのではなく、あくまで企業の成果、つまり利益の中から支払われるからだ。
■7年で日本人の給料が2倍に上がった時代。
「頑張れば賃金が上がるという常識」といったものはバブル期に小学生だった自分には全くないのだが、確かにこれが常識だった時代はあったと思う。
前回の東京オリンピックが開催された昭和39年頃、つまり1960年代の日本は高度経済成長期にあった。池田隼人が昭和35年に総理大臣へ就任すると所得倍増計画をブチあげ、10年で国民の実質所得を2倍にすると約束した。
今の日本の感覚では到底考えられない政策だろう。
しかし10年も経たずして所得倍増は実現する。昭和40年には名目で2倍を超え、昭和42年には物価上昇を差し引いた実質でも実現し、当時の日本はわずか7年で急激な成長を遂げた。
連合会長の言う「頑張れば」が何を指すのかは分からない。ただ、高度経済成長期と違って労働人口は減り、長時間労働で多くの労働者が疲弊し、
過労による自殺者が年間何百人も発生する中で考えるべきことは、頑張って収入を増やすことでは無い。「楽して大儲け」をすることだ。