【画像】日本のメーカーが開発した「5倍の値段でも売れるトースター」
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【画像】日本のメーカーが開発した「5倍の値段でも売れるトースター」
Inc.:どんな新しい電化製品がほしいかと誰に尋ねても、「トースター」と答える人はほとんどいないでしょう
。どの家庭のキッチンカウンターにもトースターはありますが、おそらく大抵の人がトースターのことを考える
のは、今使っているのが壊れて、似たようなものに買い替えなければならない時ぐらいではないでしょうか?
確かに、洒落たブランドや頑丈なブランドもありますが、本当の意味でトースターを魅力的なものにできる工夫
というと、すぐには頭に浮かんできません。ところが、どうやら日本のメーカーがそれを成し遂げたようです。
「Bloomberg」のライフスタイル/高級品セクション「Pursuits」に7月3日付けで掲載された記事では、東京に
本社を構える家電メーカー、BALMUDA(バルミューダ)の楽しくて魅力的なプロフィールと、日本で大ヒットし
ている同社のオーブントースター「BALMUDA The Toaster」が紹介されています。
まるで手品のようにパンを美味しくする
なぜこのトースターが、手に入れるのに3カ月も待たなければならないほど、日本で大ヒットしているのでしょ
うか? BloombergのReed Stevenson氏は、BALMUDAによるトースターの再解釈が意味するものは、トースター技
術の飛躍的な進歩であり、「スチームと、入念に調整された熱サイクルを使って、市販のパンを、ベーカリーの
オーブンから飛び出してきたかのような香りと味、食感を持つパンに変えること」だと説明しています。
「低温で加熱されているパンの内側には、スチームによって水分が閉じ込められます。オーブン内の温度が上昇
するのは最後だけで、それがパンに上質のクラストを与えます」と説明は続きます。
まさに手品のような素晴らしい焼き上がりです。人々が熱狂するのも不思議ではありません。実際、BALMUDA Th
e Toasterは約230ドル(22,900円(税別)」で販売されています。その価格は「日本で販売されている標準的な
トースターのほぼ5倍」だと、Stephenson氏は指摘しています。
起業家として成功するまでの紆余曲折
BALMUDA The Toasterを支えている技術に魅力を感じた方は、BALMUDAの共同創業者であり、デザイナーチームと
ともにこの製品を開発した人物である寺尾玄氏にも大きな好感を覚えるでしょう。
Stephenson氏は次のように述べています。「高校を中退し、大学進学のための資金(母親の他界により支払われ
た生命保険金)を使ってスペインやモロッコなど地中海沿岸の国々を旅して回った」寺尾氏は、「帰国後、ロッ
クバンド『Beach Fighters』のフロントマンを務め、レコード契約も獲得しましたが、大きな成功には至らず、
バンドは結成から9年で解散しました。生計を立てるため、寺尾氏はパチ○コ店(ピンボールスタイルのギャン
ブルホール)で働きつつ、次の一手を模索しました」
彼を音楽へ向かわせたのと同じ創作意欲が、やがて彼を家電メーカーの設立へと駆り立てました。BALMUDAはこ
れまでに扇風機や空気清浄機などを生み出してきましたが、「食」に目を向けるようになったのは、つい最近の
ことでした。
この路線変更が大きな成功を生みました。「寺尾氏は月1万台の出荷という目標を立てていますが、それでも販
売店に在庫を確保するには十分ではありません」とStephenson氏はレポートしています。しかも「2015年6月の
販売開始以来、BALMUDAは広告枠を買ったこともなければ、TVコマーシャルを放送したこともない」のです。
残念ながら、消費者からのこうした熱狂的な反応にもかかわらず、同社はアジア以外への事業拡大を計画してい
ません。ですから、標準的なスライスパンを、おばあちゃんが得意げにオーブンから引っ張り出してきたかのよ
うなパンへと変身させるという、この魔法のオーブントースターがほしくなっても、手に入れるには日本まで足
を運ばなければならないでしょう。
けれども、ほかの国の人たちも、この物語からちょっとした起業家的インスピレーションを得ることはできます
。最高に退屈に思えるありきたりな家電も、まったく新しいものに作り変えることが可能であることを、BALMUD
Aの物語は証明しています。
http://news.ameba.jp/20160812-1157/
引用元: ・【経済】日本のメーカーが開発した「5倍の値段でも売れるトースター」